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七草鍼灸治療院
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更年期障害の鍼灸治療 東洋医学的な考え方

2016tai1

更年期障害とは女性の閉経前後に起こる不定愁訴のことをいい、

 

東洋医学では女性特有の不定愁訴の総称を「血の道症」と呼びます。
更年期障害は「血の道症」の一つとして考えます。

 

更年期の症状は20代、30代をどのように過ごしてきたかによっても

症状の現れ方に変化があるようです。

ライフスタイルや健康状態、多忙、過労、心身ストレスなど

早めに見直しや改善をはかり、

美しく豊かに年齢を重ねていきたいものですね。
鍼灸治療は更年期の不調改善にも効果的で、
症状の緩和を早めることができます

 

更年期障害の一般的概念
更年期障害とは老化に伴って、女性ホルモンの分泌が減少し
心身の諸機能の不調和がおこり、自律神経失調症の症状があらわれることをいう。

女性の更年期の年齢は、40~50代で初潮・出産数などから個人差がある。

症状としては、イライラ、興奮しやすい、落ち込み、疲労感、汗をかく、神経質、抑うつ、物忘れ

頭痛、ほてる、熱感、口が乾く、冷え症、めまい、ふらつき、動悸、息切れ、腹張、手足のしびれ

感覚がい鈍い、皮膚にアリがはうような感覚、肩こり、腰痛など

 

更年期の東洋医学的概念

更年期の不調は、”五臓の老化”と”気血”が関係している。

・更年期の五臓の老化

「腎」「肝」「脾」「心」

人間の発育・成長・成熟・老化は「腎」が主っているため、
更年期の不調の基本的治療は「腎」の状態を良くすることになる。

 

ー「腎」のポイント ー

腎の主な働きは、「精」と関わっている。
両親から受け取った精は「腎」に貯蔵されており、
生まれてから生涯を終えるまでの身体の健康の源になっている。
「腎」の働きを良くするためには、精を補うことが重要である。
「腎精」には「腎陰」と「腎陽」が生じる。

 

「腎陰」は身体の成長・性機能の発達・骨の丈夫さ・記憶力・聴力・老化などと関わっている。
「腎陽」は呼吸の安定・水の代謝・尿の生成と排泄・便の排泄などと関わっている。

腎が弱くなると、成長発達が遅くなったり、老化や記憶力の低下が早まったり、

また不妊症、不育症、生理不順や呼吸、尿、便の異常などが現れる。

 
「腎」を基本としながら「肝」「脾」「心」の状態を調整していく。
また五臓を栄養している”気血”の調整も同時に行う。

 
「肝」は疏泄を主り、気血の循環に働きかけ自律神経の症状に関係する。
子宮をまとっており、月経、妊娠、ホルモンバランスを関係する。

 

「脾」は飲食物を栄養物質に変換し、気血を生化する。消化機能や血液量に関係する。

 

「心」は血液の流れと脳の働き・精神活動に関係する。動悸、不安、胸苦しさなどの症状に関係する。

 

 

ー 医食同源・薬膳食養生ポイント ー

日本人の場合は、和食で旬の食材を取り入れながら新鮮な食物を選択する。

一つの食材や好きなものに偏らない。

特別な疾患がみられない場合メニューは厳しくしなくてよいが、

3日間隔の食事内容で主菜・副菜・汁物、食材の

バランスに偏りがないかチェックする。

体質ごとの食材アドバイスは、そればかりに偏るのではなく

少量を取り入れていくようにする。

腹八分で咀嚼回数を多くし、消化機能に負担をかけないようにする。

週に一度くらいは家族や友人と楽しい食事をする

巷で健康に良いとされる食品も、東洋医学の体質によっては避けたほう
が良い場合が多々見られます。
症状を悪化させている原因になっていることもあるので、
気になることはご相談下さい。

 

 

ー更年期障害の代表的な体質は4つにわけられますー

 

①腎虚証(腎気虚が進行し腎陽虚となる)

 

②肝気鬱結証(肝気鬱結により血流が滞ると気滞淤血となる)

 

③肝腎陰虚証(腎陰虚が進行し肝腎陰虚となる)

 

④脾気虚証
では、一つ一つの体質の特徴と治療法を見てきましょう
当てはまるチェックが多いものが体質傾向としてみられます

 
①腎虚症(腎気虚が進行すると腎陽虚となる)

症状チェックポイント

 

腎気虚
・足腰がだるい

・頻尿

・尿が透明

・残尿感

・夜間の頻尿

・生理不順

・経血量が少ない

・経血の色が薄い

・おりものが多い

 
さらに症状が進むと腎陽虚となる

 

上記の症状に加えて

・足腰の痛み

・手足の冷え・むくみ

・寒がり

・精神不安定

・顔色がくすむ
原因:生まれつき虚弱体質、過労、ストレス、加齢などにより腎の機能が低下し、

さらに更年期による女性ホルモンの乱れ低下がおこることで

温めたり、栄養する力が減少していおこる。

 

治療:腎の陽気が充満されるように補法を行い、温煦機能の改善をはかる。

腎の機能が充実することにより、加齢によるホルモンバランスの乱れが改善される。

益気温腎補陽。

 

食養:にら、くるみ、唐辛子少量、コショウ少量、エビ
穀類、イモ類、豆類、キャベツ、いんげん、カリフラワー、カボチャ、しいたけ、はちみつ、
とりにく、牛肉、カツオ、イワシ、たら、さば、太刀魚
冷えを回避するため、生ものは控え、火を通した温かい調理法が望ましい。

 
注意する食材:にがうり、冬瓜、セロリ、なし、りんご、すいか、緑茶
豆腐、生もの

 

 
②肝気鬱結証(肝気鬱結により血流が滞ると気滞淤血となる)

症状チェックポイント

 

・うつ

・イライラ

・怒りっぽい

・頭痛(刺すように痛むと気滞淤血)

・めまい

・口が乾燥し喉が渇く

・ため息

・両肋骨あたりが張るように痛む(刺すように痛む)

・食欲不振

・生理不順

・生理痛

・血塊がある

 
原因:主に心のストレス、悩みなどによる情緒不安定が原因となる。

それらが慢性化することによって精神刺激となり、肝の疏泄機能を乱して発症する。

情緒の乱れによって肝の伸びやかな性質を失い、

気の停滞がおこる。

さらに更年期による女性ホルモンの乱れ低下がおこることで、

肝の疏泄のコントロールができなくなり肝気が発散されず

体内で停滞した状態にあるため心の状態に不調がみられやすくなる。

 
治療:うっ滞した肝の疏泄を良くする。肝気理気解鬱。

情緒が安定するように肝・心・腎経の調整を行う。

 

養生:悩みや、我慢、ストレスを抱え込まないようにし、

その場で感情の高ぶりを鎮める方法を準備しておく。

深呼吸、アロマテラピー、ハーブティー、ストーン、花、好きな写真、マントラなど

 

また心の整理をするために気持ちをノートに書くにも勧められる。

 

一日の始まり・終わりに数分瞑想をして静かな心を養い”利気・調気”をする。

 

食養生:旬の食材と和食を中心に

そば、たまねぎ、大根、チンゲン菜、くわい、らっきょう、

柑橘類、エンドウ豆、ジャスミン、大葉、陳皮

香りのある食材は肝気の停滞を改善する

 

注意する食材:消化しにくいもの

 

 

③肝腎両虚証

 

症状チェックポイント

・目の疲れ・乾燥

・元気がない

・物忘れ

・耳鳴り

・めまい

・のぼせ

・ほてり

・足腰がだるい

・生理不順

・不眠症

 

原因:心身のストレス、疲労や睡眠不足の長期化、老化、虚弱体質、

汗のかきすぎ、大量出血などによって陰が不足する。

陽が過剰になり「肝」「腎」のバランスが失調した状態。

 

「肝血」が「腎」を養い「精」を生成し、「腎精」が「肝」を滋養して「血」を生成

する。

それらの働きが弱くなり、内熱が出現し、肝気の疏泄や腎の蔵精機能をさせる。

 

肝血と腎精は同源であるため、肝腎は同時に陰虚が現れやすい。

一方が衰えると、もう一方も衰える性質がある。
治療:肝と腎の両方の陰を補う。滋陰養血補腎。
虚熱をとりのぞき、加齢によるホルモンバランスの乱れを改善する。

 
養生:マイナス思考にならず前向きに考える。

悲しみに沈みこんだり、逆に競争心を駆り立てないように心を穏やかに保つ。

過労をさけ、規則正しい生活と睡眠を十分にとり陰を養う。

陰を補うのは時間がかかるため、焦らずにゆとりある日常を心がける。
食養生:旬の食材で和食を中心に

山芋、セロリ、白菜、あわ、レモン、梨、キウイフルーツ、バナナ、

ごま、白きくらげ、蜂蜜、乳製品、豆腐、ゆば、卵、豚肉、

 

ツバメの巣、鴨肉、魚介類、カニ

 

注意する食材:胃腸の粘膜に潤いが少ないためしにくいもの、香辛料は避けた方が良い。

ねぎ、しょうが、にんにく、にら、らっきょう、とうがらし、鶏肉

 

④脾気虚証
症状チェックポイント

・顔色が黄色い

・息が切れる

・呼吸が浅い

・声が小さい

・四肢の倦怠

・痩せる

・食欲がない

・胃腹張満

・下痢しやすい

・月経不順

・不正出血

・慢性胃腸炎

 

原因:過労、飲食不節、思慮過多、加齢や病弱な体質など

によって消化機能が低下した状態。水分代謝も停滞している。

治療:消化機能の増強をはかる。益気健脾。

消化機能をはかり、胃腸管の栄養物質を体内へ受容できるようにする。

 

養生:過労をしない。考え込んだり、心配事を多くすると

消化機能が弱くなるため、悩みを深くもたないこと。

冷やさない。適度な日光浴。

音楽、漫才、演劇鑑賞や趣味などを楽しむ。

 

食養生:穀類、山芋、キャベツ、カリフラワー、いんげん、豆類、

栗、蜂蜜、シイタケ、鶏肉、牛肉、スズキ、イワシ、ナマガツオ

注意する食材:生もの、油っこいもの
以上が更年期症状の体質解説になります。
体の女性ホルモンの減少にともない、以前のように精がでなかったり
不定期に心身の不調が出やすくなります。

 

しかしそれらは年齢を重ねる上で自然なことですから、

無理のないように体質や体調にあわせて

日常生活を楽しみましょう。

 

子宮筋腫・子宮内膜症・チョコレート嚢胞・子宮腺筋症

婦人科疾患について

婦人科疾患の現代医学的な考え方

東洋医学的な考え方と鍼灸治療について

東洋医学的な考え方は、下記に詳細をしています。ご自身がどの体質かチェックしてみましょう。体質を知ることで、改善策や日常生活で気をつけたい部分が見えてくるはずです。婦人科の腫瘍の症状は、鍼灸治療で軽減・改善できることが多くあります。また婦人科疾患の予防にもなるので、健康を増進したい方にも鍼灸メンテナンスはおすすめです。


①  婦人科疾患について現代医学的な考え方

現代婦人科病ともいえる子宮筋腫・子宮内膜症・卵巣チョコレート嚢胞・子宮腺筋症・卵巣嚢腫の疾患罹患率が年々増加傾向にあるといわれている。

原因は、不明であるが女性の社会進出に伴うライフスタイルの変化、

初経の低年齢化、晩婚化、少子化で出産回数減少による月経回数の増加に伴う

ホルモンバランスの変化などが考えられている。

・子宮筋腫とは、何らかの原因により、子宮壁の筋肉層に細胞が異常な増殖をしできた良性の腫瘍のことをいう。筋腫は米粒くらいの小さいものからこぶし大くらいで、複数個できる場合もある。不正出血、生理期間の延長、経血量の増加、それによる貧血などが主症状となる。命に関わる病気ではありませんが、筋腫が大きくなると、周囲の臓器を圧迫し、便秘や尿が近い、下腹部が張る、月経時以外にも下腹部痛や腰痛などの症状もあらわれる。また、子宮筋腫も不妊を招く一因となる疾患である。年齢、症状の度合い、病変の部位、出産希望の有無を総合的に考慮し治療方針を決定する。薬物・手術療法が主な治療法となる。

 ・子宮内膜症とは、何らかの原因により、子宮内膜用組織が子宮腔内面以外(異所性)に生じた疾患。子宮周囲(腹膜、卵巣、ダグラス窩)に発生するものが多い。月経を重ねるごとに増強する月経痛、骨盤痛、性交痛、排尿痛がみられ、不妊の原因になる。年齢、症状の度合い、病変の部位、出産希望の有無を総合的に考慮し治療方針を決定する。薬物・手術療法が主な治療法となる。

・卵巣チョコレート嚢胞とは、卵巣の内部に発生する子宮内膜症のことをいう。卵巣の中に袋(嚢胞)ができ、その中に古くなった子宮内膜が溜まっていく病気。卵巣にできた子宮内膜は生理のたびに剥がれ落ち、それらがすべて卵巣内にたまります。古くなると子宮内膜は酸化して泥状に黒っぽくなり、卵巣の見た目がチョコレートのようになる。症状は子宮内膜症と同じで、薬物・手術療法が主な治療法となる。

・子宮腺筋症とは、何らかの原因で子宮内膜用組織が、子宮筋層内に直接浸潤し、周囲筋層の炎症性腫大をきたす。エストロゲン依存性により増殖するものと考えられる。子宮内膜組織が月経の度に増殖、剥離を繰り返し、様々な症状を呈する。月経を重ねるごとに増強する月経痛、月経過多、月経期間の延長などをきたす。薬物・手術療法が主な治療法となる。

・卵巣嚢腫とは、何らかの原因で卵巣に腫れが生じ液体が溜まったもの。卵巣は子宮の左右両側にひとつずつあり、通常は直径2〜3cm程度のくるみぐらいの大きさのもの。卵巣嚢腫の多くは卵巣の片側に発生しますが、両側に発生することもある。ほとんどが良性であるが、癌化する場合もある。 腹部膨満感、下腹部痛、性器出血、便秘、頻尿などさまざまある。薬物・手術療法が主な治療法となる。


東洋医学からみた子宮筋腫・子宮内膜症・チョコレート嚢胞・子宮腺筋症

原因:瘀血おけつ(血液循環の停滞)

冷えやストレスなどの生活習慣・食生活が原因で瘀血(血液循環の停滞)となり、

子宮・卵巣への血液の栄養が停滞、不足した状態になる。

さらに瘀血(血液循環の停滞)が慢性化すると血液が詰まり婦人科のできもの、

腫瘍ができると考えられる。

子宮内膜症や子宮筋腫、生理痛は広く婦人科系の病気を含む病名として

「しょうか(しこり)」と呼ぶ。

鍼灸治療ではまずは全身や骨盤内の子宮・卵巣の瘀血の改善、

血液循環を良くし婦人科を整えます。月経痛、月経量の改善、

婦人科系の病気の進行を防ぎ、改善をすることができる。

【あなたの血瘀度は何点ですか?】

□顔色がくすむ、黒い

□シミ・ソバカスが多い

□目にくまができる

□歯ぐきが暗赤色

□皮膚が硬化し、ざらついている・さめ肌

□内出血青たんができやすい

□頭痛がある

□肩や首すじが凝る

□手足が冷える

□唇が紫色がかっている

□脚の静脈が浮き出ている

□月経の色が紫色~黒ずんでいたり、塊が混じる

□生理痛がある

□裏側の静脈が暗紫色

□舌の色が暗赤色、または、紫色のシミがある

何点ありましたか?

1~3点・・・ 瘀血傾向にある

4~6点・・・ 瘀血体質

7点以上・・ 瘀血がかなり進行している

このチェック表で4点以上ある方は、早めの改善をおすすめします。

瘀血が形成される原因は6種類に分かれます。

各症状をみて一番多いものがその体質になります。


東洋医学の瘀血証の分類

瘀血となる原因はさらには6つの証に分類される。

婦人科疾患がある方は、証分類を2つ3つ併せ持つ場合が多い。

分類:気虚、気滞、血虚、血寒、血熱、痰湿

・①気虚・・・気が不足している状態

・②気滞・・・気の流れが滞ってい状態

・③血虚・・・血が不足している状態

・④血寒・・・寒により血液が凝滞する状態

・⑤血熱・・・余分な熱により、血液が粘る状態

・⑥痰湿・・・飲食の不摂生によるもの


【① ~⑥各証分類】

気虚タイプ・・・五臓六腑の機能が弱まった状態。気が消耗しすぎたり、気の生産が不足したり、あるいは気を作り出す臓腑の機能が失調することで起こる。気の本来持っている機能が低下したり、臓腑機能が低下することによって、身体に虚弱の症候が現れる。身体には元気・宗気・営気・衛気のような基本的な気、経絡にある経気、各臓腑の気が存在している。気の存在により命を維持し、気の強弱によって健康に差異が現れる。気虚証に密接に関連している臓腑は肺・心・脾・胃・腎である。

また気と血は密接に関連していて、血の運行、生成、出血を防ぐのは気の作用が助けている。気の働きが弱くなると、血の働きも弱くなり、運行、生成、出血を防ぐことができなくなる。このことから全身・婦人科の瘀血に関連していく。

気虚の原因

 ①虚弱体質・先天の不足 ②飲食の失調・味の偏りによる気の生成不足 ③過労による気の消耗④精神的な素因による気の消耗 ⑤過度の性生活 ⑥老化 ⑦慢性病(消化器の疾病・腸の寄生虫・咳・喘息・肺結核・肝硬変・出血)

気虚症状

①  顔色青白くつやがない

②  息切れ

③  声が小さい

④  疲労

⑤  めまい

⑥  自汗

⑦  経血不正出血になりやすい

⑧  風邪をひきやすい

⑨  胃腸が弱く下痢しやすい

⑩筋肉にはりがない

気虚タイプ鍼灸治療

関連臓腑の弱くなっている気を補い元気にする。気の状態を中庸にし、血の運行、生成、出血の改善をはかり全身・婦人科の瘀血を取り除く。


気滞タイプ・・・長期にわたり精神的緊張・不安・不愉快な情緒などのストレスの蓄積によって気機の巡りが滞ったためにおこる。気は身体を構成する最も基本的な物質であり「気機」といわれる「昇・降・出・入」の運動をしている。気機の動きの状態は七情(怒・喜・思・悲・憂・恐・驚)の影響によってさまざまな反応として身体に現れる。例えば「喜」は気の流れをのびのびと通じさせるため精神的にリラックスして楽しくなるが、「怒」は精神的な興奮・衝動として、気機の乱れを引き起こし、身体に不快感を与える。乱れが長期間続くと、現代社会の慢性ストレスとよばれる状態になり、臓腑、血、津液に影響を与え気滞となる。気滞証に密接に関連している臓腑は肝・心・脾である。

また気と血は密接に関連していて、血の運行、生成、出血を防ぐのは気の作用が助けている。気が停滞すると、気の作用によって運行されていた血の働きも停滞し、血の運行、生成、出血を防ぐことができなくなる。このことから全身や婦人科の瘀血に関連していく。

気滞の原因

①精神的ストレス(金銭問題、失業、成績不調、結婚、離婚、家族問題、加齢、病気、痛みなど・・・社会や環境など情緒とつながる精神状態)②ストレスを感じやすい性格・心理状態の遺伝③疾病(脳動脈硬化、高血圧、心臓病、甲状腺機能低下、がん、避妊薬などの薬物アルコール中毒などに関係している)④過労⑤産後の腎虚によるホルモン分泌の失調、家事・育児の負担によるもの⑥老化。女性は45~55歳、男性は50~60歳の間に更年期に入り成熟期から老年期へと移行する。性ホルモンのバランスの崩れ、免疫能力の低下、精神神経系の障害などによって、生理・心理面に影響が現れる。女性であれば女性美の喪失感、家庭内の問題(夫の定年、子供の離反)などのため情緒の変化に敏感になりやすい⑦飲食物の摂取不調和

気滞の症状

①イライラしやすい

②ため息がでる

③喉に詰まった感じがある

④呼吸が浅い

⑤お腹が張ってゲップ・おならがよく出る

⑥生理前に落ち込みやすかったりイライラしやすい

⑦月経周期が不安定⑧偏頭痛がある⑨寝つきが悪い、睡眠が浅い

⑩胸、脇、お腹、下半身いずれかが張る

気滞の鍼灸治療

関連臓腑と滞っている気をスムーズに流れるようにする。気の状態を中庸にし、血の運行、生成、出血の改善をはかり全身・婦人科の瘀血を取り除く。


血虚タイプ・・・血液の滋養作用の低下によって現れる、臓腑組織に栄養が足りなくなる症候である。関連臓腑は心・肝。血の栄養によって足・手のひら・指が動かしにくい。

血虚の原因①体質の虚弱・先天の不足②飲食失調・味の偏りにより脾胃が虚弱となり、水穀精微の不足で栄養の供給不足となる。③慢性病・特に消化器官の疾病・不正出血により血が消耗され生成も不足となる④過労により血を損傷する⑤精神的な素因や気鬱によって気の巡りが悪くなり、肝の造血機能の低下を引き起こす。⑥寄生虫

血虚の症状

①顔色が蒼白

②爪や唇の色が淡白

③めまい

④心臓の動悸

⑤不眠⑥手足のしびれ

⑦生理不順⑧経血の量が少ない・生理が止まる

血虚の鍼灸治療

血に深く関係する「肝」を補い、造血作用を促します。血は食事から摂取した栄養がエネルギー源になるので、食事療法が大切になります。また食事で摂取した食物を消化し血を作りやすい体内環境にするため「脾胃」の働きを高めます。血液を増やし巡らせることで、瘀血を改善します。


血寒タイプ・・・体を温める力が弱く骨盤内の婦人科の冷え、または体内の冷えのために血行障害を引き起こしている。30代以降は血虚・気虚を併せ持つタイプが多い。

血寒の原因

寒い環境に長時間いたり、冷える環境にさらされている場合、血脈の運行が障害されて起こる。婦人科疾患の場合は寒が骨盤内に侵入したものが多い。。

血寒症状

①冷えによる手足の痛み

②皮膚が紫色で冷たい

③月経時にお腹が痛む

④月経血色紫~黒、塊がある

⑤月経が遅れる⑥経血の量が少ない

⑦尿量が多い

⑧寒がり・低体温

血寒の鍼灸治療

寒を温め取り除き、瘀血の改善をはかる。特に婦人科系の冷えを取り除く灸方がよく用いられる。経絡の陰、督脈、任脈を補い温める。


血熱タイプ・・・血熱とは血中に熱が鬱積し、血行が加速する病的な状態をいう。体内の過剰な熱により、気と津液(水分)が燃焼され、血が濃くなりドロドロになっている(瘀血)。熱をもち濃くなった血は瘀血を増長させ、婦人科の炎症状態を引き起こす。年齢が高くなると高血圧や糖尿病を引き起こすので注意する。

血熱の原因①ストレスによる体内の過剰な熱②辛い味、濃い味を好む③興奮しやすい

血熱の症状

①ニキビができやすい

②のぼせ、ほてり、顔が赤くなりやすい

③目が充血しやすい

④便秘がち

⑤月経周期は早くなる

⑥経血量が多い

⑦不正出血や鼻血が出やすい

⑧尿量少なく濃い

⑨口が乾きやすい

血熱の鍼灸治療

余分な熱を取り除き、熱がこもらない体質へ改善していくことによって、瘀血も改善します。


痰湿タイプ・・・油っこいものや甘いもの冷たいものの取りすぎで、脾胃を酷使している。消化・吸収・排泄力が落ちて循環がなされず、よどんで滞った水分、油分が体内に停滞している状態。血の循環も滞り、老廃物が蓄積し瘀血を形成する。

痰湿原因①内臓機能の低下(特に脾・腎)②不規則な生活③脂肪分が高い食べ物、甘いもの、味の濃いもの、お酒の飲みすぎ

痰湿症状

①内臓脂肪型肥満

②おりものが多い

③脱力感・疲れやすい

④むくみやすい

⑤痰の量が多い

⑥食後胃がもたれる

⑦水をあまり飲みたがらない

痰湿の鍼灸治療

内臓機能を強くして、消化・吸収・排泄力を高める。体内に溜まった老廃物を排出し、溜まらない体質へと改善する。血液の停滞も改善され、瘀血を取りのごくことができる。

このようにして、お一人づつの体質を見きわめ、原因を取り除く鍼灸を行っていきます。

 

 

 

 

 

 

 


 

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